keronote’s blog

本の紹介、英語学習の記録を中心に、PC・スマホ関連、日々の生活のお役立ちネタも交えながら色々と書いていきます。少しでも楽しんでいただけたら、また何かの役に立てれば幸いです。

刑務所わず。

 

 

▶有名人の獄中生活

 

私は獄中記というものに魅かれます。

何と悪趣味な!と思われるかもしれませんが、普段の生活から窺い知ることのできない世界を覗いてみたいと思うのは人間の性だと思うのです。

それに本として世に出ているというこは、それを知ってほしいという著者の意志があるのだから、興味本位な自分に後ろめたさを感じる必要はないのだと言い聞かせてみたり…。

 

さて、「刑務所わず。」は、ホリエモン堀江貴文氏)が証券取引法違反の罪で服役した、2011年6月~2013年3月までの刑務所生活を振り返った獄中記です。

 

これより前に発行された「刑務所なう。」もありましたが、こちらは刑務所に収監中に発売され、書きたくても書けない内容があったということなので、どうせ読むなら事実と本音が書かれている方を読んでみたいと思いました。(2冊を1冊にまとめた、「刑務所なう。完全版」というのもあります。)

 

獄中記といっても、あまり重々しいものではありませんでした。

さらっと読める獄中エッセイとでも呼びましょうか。

途中で何篇かの漫画も入っているので、より獄中の雰囲気をイメージしやすくなっています。画、うまいですよ。もっと漫画の分量多くてもいいかも(*´з`)

もちろんホリエモン自身が描いたわけではありません。

 

与えられた仕事には真摯に取り組んでいる様子が感じられましたが、罪を償っているという意識は全くといっていいほど感じられないことが、そのライト感を醸し出しているのかもしれません。

 

彼は有名人なので、自分でもそうだと感じているように、やはり特別扱いされていたようです。

もちろん、刑務所内でのことなので、VIP待遇というのではなく、争いや面倒が起きないよいうに、できるだけ他の収監者とは隔離されていたようです。

そこが、刑務所の実態を知りたい私にとってはいささか物足りなさを感じました。

 

それでも、私の想像もつかない罪、自制や道徳心のかけらも感じられない行動を犯し服役した受刑者がいること、高齢者や障害のある(知的・四肢・視覚・病気・オストメイトなど様々)受刑者も多いことは知らなかったので、衝撃を受けました。

 

ホリエモンは衛生係として、そのような、他の健康な受刑者と同じ役務を果たせない彼らの面倒をみるようなこともしていたそうです。

そのことについて、書中で何度も触れています。

 

介護に携わった事のない身としては、刑務の一環とはいえそのようなことに真摯に取り組めることは素晴らしいと思いました。

ニッポン放送株を買収した頃は自分が言ったことを理解できない人々のことを見下している感じがあったけれど、人が嫌がるような仕事もできるようになるんだ、人は環境で変わるものだなと感心しました。

(実際に介護をされている方々からすれば、当然のことかもしれませんが。。。)

 

刑務所内の雰囲気、方針は実社会同様、トップの人間の裁量によってガラリと変わることも初めて知りました。

上の意向は、どこの組織・団体であっても、本当に重要なんですね。

塀の中であってもそこには複雑な人間関係が構築されているし、高齢者問題もある。

社会の縮図なのだと感じました。

 

刑務所という世界のディープな部分を詳しく知りたいという人には少し物足りない内容だと思います。

しかし、ホリエモンが「そこでどう過ごしたか、何を考えたかを知りたい」、「ホリエモン目線から見た刑務所とはどんなところなのか知りたい」という人には、お勧めの本です。

 

 

※かれこれ10年以上も読みたいと思いながら、なかなか手に入れられないでいる漫画、刑務所の中」花輪 和一 を読みたいという思いが再燃しました。

いつか手に入れて、ホリエモンの獄中記と読み比べて紹介したいと思います。

 

<まとめ>

・刑務所内は社会の縮図