隣人との違いを知るための入門書、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』
以前紹介した出口さんの本を読み、中国(人)に対する誤解が少なからずあるのではないかと思うようになりました。
そこで「本当の中国」を知ることができる良い本はないか探していたところ、この本を見つけました。
この中に、ある中国人の言葉が紹介されています。
これが正しいかどうかはさておき、そのように感じている人がいるということは間違いないようです。
昨年から聞くようになった中国人による「爆買」。そのパワフルさと桁違いの買い物量と金額に日本人は圧倒されました。
そして直接的、間接的にその恩恵を受けた人も多いと思います。
それなのに、それとなく伝わってくるのは消費してもらってありがたいというよりも、そんなに買ってどうするのというちょっと引いた目線と、マナーの悪さです。
最近の上海ディズニーランドのオープンを伝える報道でも、そのスケールや特徴よりも重点的に伝えられたのはマナーの悪さです。
このところ、「中国人はマナーが悪い」という色眼鏡を通して中国人を見ることが、エスカレートしてきている印象を受けます。
私の住んでいる地域には中国人労働者が多く、工業関係は男性、繊維関係は女性といったふうに性別で就労している業種は違えど、多くの中国人が集団で住み込み働いているようです。
「ようだ」というのは、直接面識がないからです。
年に一度くらい交流イベントが開催されているようですが、余程関心がある人以外は行っていないのではないでしょうか。
少なくとも私の知人でそのようなイベントに行ったことがあるという話は聞いたことがありません。
勿論彼らは特別「悪いこと」をするわけではありませんが、集団でスーパーへ買い出しに出かけるのでとても目立つし、声が大きいので何となくこちらのほうが委縮してしまいます。
このように、同じ地域に住んでいながらも見えない壁の存在を感じます。
私自身交流を求めているわけではないのだけど、何となく不自然な感じがして落ち着かない感じがします。
そのような中、中国人と日本人はどこが違うのか、なぜ違うのかという理由の一端をこの本で知ることができ、彼らの日本人との違いを多少なりとも受け入れることができるようになったと思います。
ここに書かれたことが全ての中国人に当てはまらないとは思いますが、(何せ国土の広さと人口の多さのスケールが桁違いなので、そもそも「中国人」とひとくくくりにしてしまうこと自体無理がある)、著者が実際にインタビューして得た生の中国人の声を聞けたことは価値があります。
昨今、インターネットの普及、さらにアイドル・漫画の人気に伴い、若い人の間に親日家が増えてきているのではないかと感じます。
しかし、親日派が増える=半日派の減少とは限りません。
領土問題などは継続して大きな問題となっています。
特に強いポリシーを持っていなくても、隣人と仲違いをしたいわけではないと考える人が殆どだと思います。
親中派が増えるように中国側も努力するべきだと思うのは他力本願すぎるでしょうか。
日本発のアイドル・漫画のように、国境を超えて人気となる何かを中国が生み出すことができたら、経済的には脅威であるかもしれないけれど、今より両国間が歩み寄りやすくなり、理解が深まるのではないかと妄想するのです(*´з`)
この本を読んで私が知ったのは、以下のことです。
・世界ナンバーワンの経済力をつけたのに、私たちの「普通の暮らし」を送るには大変なお金と労力を払わなければならないこと
・家族の結びつきが非常に強い。
・非常に複雑な戸籍制度があり、それにより人生が大きく左右される
・海外へ渡航するには殆どの国でビザが必要であり、入国手続きにも時間がかかる。
(日本人は殆どの国でビザは必要ない。〈信頼度が高い〉
ニュースだけでは知り得ない中国の制度や社会文化、日本の「普通のくらし」の素晴らしさを知ることができた本でした。
この知識を基に様々な中国との問題を考えていけば、多少は隔たりのある隣人を理解しやすくなるかなと、自分に期待しています(*´ω`*)
なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? - 「ニッポン大好き」の秘密を解く (中公新書ラクレ)
- 作者: 中島 恵
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/04/09
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る