クラウド「超」仕事法
クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する
- 作者: 野口悠紀雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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クラウドについて書かれた本が読みたくて、手に取ったのがこの本です。
野口氏といえば、10年くらい前に「「超」整理法」(中公新書、1993年)という本がベストセラーになった人だという印象しかもっていませんでした。
書かれたのが2011年ということで、一部現在では提供されていないサービスや古くなっている情報はあります。
しかし、御年75歳(発行当時は71歳)ながら、著者が実際に仕事に活用していく中で導き出したクラウド利用方法のノウハウには説得力があります。
以下は印象に残った内容です。
・情報はすぐにクラウドにあげよ。
・能動的にインターネットを使う。
・何を覚え、何をサボるか。
・内容で分類するな。時間順に並べよ。
・パレートの法則。物事の2割が重要なことの8割を占める。
・自家製ブックマークを作る。
・押し出しファイリング-「超」整理法で提案した紙の資料の保存方法。
→内容によって格納場所を変えるのではなく、すべての資料を、一つの棚に時間順に並べる。
例えばこの中の「内容で分類するな。時間順に並べよ。」について。
これは内容(カテゴリ)で分けてあると後から検索しやすいですが、それがどの分類になるのか選び間違えると、却って検索が難しくなってしまうかもしれないという理由から勧められています。
人は記憶を辿るとき、時系列で探すことのほうが多いそうです。
確かにあのときこうだったからそうした、そのときこんなことが起こったなど、時間軸で考えると芋づる式に思い出せることがあります。
私が最初クラウドの活用について二の足を踏んでいました。なぜなら、ネット上に情報・記録を保存するとなると、どうしても、悪意のある誰かが情報を引き出す可能性を考えてしまうからです。
しかしインターネットを利用している以上、クラウドサービスを利用せずとも常にその危険にさらされているといえるのだから、負の側面ばかり見ていたずらに怖がるのではなく、どんどん活用していくべきだと提案されています。
また、PCやスマホといったデバイスそれぞれに得手不得手がある。
何もかもを一つの端末で完遂しようとするのではなく、一番効率のよい方法を選び、それぞれの良いところをうまく活用するのがよいと書かれていました。
異なるデバイスでの情報共有がより簡単にストレスなくできるようになったのは、まさにクラウドサービスのお陰だといえます。
私にとってこの本は、何となく知っていたクラウドサービスってこういうものなんだよということを教えてくれた入門書であり、情報整理術の入門書でもありました。
物事のマイナス面を見て躊躇するより、まず飛び込んでみる、やってみるのが大事なんだな。