応援する力
▶日本で一番応援を愛する男
「熱い人」「暑苦しい人」というのが、10~20代の頃の私が松岡修造さんに抱いていた印象です。
テニスに関心がなかった為、それ以上でもそれ以下の思いもありませんでしたが、おそらく身近にこのような熱い人がいたなら、避けたい人トップ3に入っていたと思います(;´Д`)
2015年、そんな松岡さんの活躍はめざましいものがありました。
日めくりの「まいにち、修造」は売切れの店も続出し、カレンダーとしては異例のヒット作となりました。
そしてこれをきっかけに、CMをはじめとして、今まで以上にメディアに出る機会が増えたように思います。
2016年になっても彼の存在感は衰えることはありません。
ネット上では、1月に松岡さんが全豪オープンの為、オーストラリアに行ったために、松岡さん不在の日本は、暖冬にも関わらず大寒波に見舞われたという噂が飛び交ってしまうほどの熱さです。
さて、『応援する力』は、そんな松岡さんが、応援を始めた理由を知ることができます。
また、どのような思いで、どのようにしてアスリートたちを応援しているかも書かれています。
文字数が少ないので、読書慣れしている人なら、30分~1時間もあれば読めるのではないでしょうか。
しかし、ボリュームはそれほど多くありませんが、構成の素晴らしさと松岡さんの情熱に引き込まれ、やる気スイッチが押されること間違いありません。
松岡さんの応援はとにかく徹底しています。
手抜きは一切感じられません。
常に全力です。まさに、全身全霊をかけた応援です。
自身も出場したオリンピックでは、自分の試合が終わったあと、他の選手を応援するため、手紙まで書いて渡したというエピソードが書かれていました。
普通なら「頑張ってください。」と、一言声をかけるだけだと思いますが、その選手が一番克服したいと言っていたことを絡めた応援メッセージを送るというのは、なかなかできることではありません。
他にも、多くのアスリートを応援したエピソードを綴っていますが、最も私の印象に残ったのは、伊達公子さんの対グラフ戦応援エピソードです。
静かに応援するというイメージの強いテニスの試合で、観客と一体になり、日の丸を振りかざして走り回り、声を枯らして応援したというのです。
伊達さんに「うるさい!」と一喝されてしまう場面もあったようですが、それも含めて修造は本当にやってくれるな!すごいな!と思わせる熱いエピソードです。
ケガもして劣勢だった試合に勝つことができたのは、伊達さんの頑張りだけではない。
応援のちからというものが本当にあるのだと感じました。
また、自分への応援についても書かれています。
松岡さんは、自分への応援のツボを知るために、自分のトリセツを作ることを勧めています。
2015年にヒットした、西野カナさんの「トリセツ」より、早い!Σ(゚Д゚)
どのようなことを書くかは割愛しますが、まず自分をよく知ることが大事だということです。
そして、自分の心に響く言葉などは変わっていくものなので、トリセツを毎年更新することを勧めています。
自分応援の最大の敵、「ネガティブ思考」への対処法も参考になりました。
まず「ネガティブな考えストップ!」と、心の中で声をかける。
そして、ネガティブな考えのあとに、ひとつだけポジティブな考えを付け加えるようにする。
単純なことだけど、そうしようと心がけるだけで、気持ちは随分と上向きになるのではないかと思います。
失礼ながら、「この人自分が熱くなっているだけで、何も考えていないんじゃないか」と、長年に渡り思っていました。
しかし、応援する人について、どのようなことを頑張ってきているのか、克服しようとしているのかをインタビューで聞くなどして、その人に合わせた応援の言葉をかけている のだと知りました。
一人一人に対し、上っ面だけでない心からの応援をしているその姿勢に、頭が下がる思いです。
松岡さんのように熱くはなれませんが、全力って素晴らしいと、素直に思えるようになりました。
<まとめ>
“応援は人のそして自分自身の強さになる
「応援上手」「応援され上手」になろう!”