『ダ・ヴィンチ』 2017年5月号は袋かけ
「今月号のダ・ヴィンチは発売日に手に入れなきゃ、売り切れてしまうかも!」
そう思い書店を訪れたけど、陳列されていたのは先月号。
「やっぱりね。」
と思いながらも少々落胆。
地方では雑誌は発売日の翌日と相場が決まっている。
にも関わらず念のためと覗いてみたのだが、あえなく撃沈されてしまった。
仕方ないので翌日の金曜日、仕事帰りに再び書店へ。
前日は私は休日だったので、午後一に悠々と書店を訪れたが、今日は午後8時前と少々遅い時間。
そんなに大量に仕入れる雑誌ではないだろうし、売り切れてしまわないだろうかと、仕事中もちょっぴりそわそわしていた。
店内に入り、駆け出したいのをぐっとこらえ、少しばかり速足で売場へ向かう。
それにしても、何故『ダ・ヴィンチ』は男性誌のコーナーにあるのだろう。
正確には趣味のコーナーなのかもしれないが、周りを固めているのは男性ファッション誌だったりするので、やっぱり男性誌扱いだ。
何度も訪れている書店だと凡その場所はわかるのだけど、滅多に訪れない書店だとすぐに見つけ出せずにキョロキョロあたふたしてしまう。
でも男性誌コーナーは、表紙が女の人のコーナーがあるので、うっかりそちらを見やってしまわないように気を使うのだ。
女性同士別に見てしまっても問題がない気もするが…。
さて、ここからが本題。
付録がついている女性ファッション誌などには、プラスチックのバンドがかけてあったり、本を傷めにくいテープが貼ってあったりして、中身が見られないようになっている。
しかし!!ほとんどの雑誌は従来通り中見放題、立ち読みし放題だ。
店によっては数冊のうちの一冊に「みほん」と書いたシールを貼り、他の本が傷みにくいようにしているところもある。客の良心に任せた「性善説」を信じる人が多い日本人に多いとされる発想なのかなと思う。
そんな私の中の常識を覆すかのように、ダヴィンチ5月号は一冊一冊ピッチリと袋かけがしてあった。
そう、コミックが袋かけしてあるように、本をビニールで巻いた後熱を加えて密着してあるのだ。
正確には数えていないが、20冊くらいがお行儀よく積み上げてあった。
「すごい!やっぱり表紙が星野源だからなのか!?」
発売日当日(正確には一日後)に雑誌を手に入れようとした私と同様、書店員さんも相当な気合が入っているな!と感じ、嬉しくなった。
さて、せっかくなので中身についても少しふれてみたい。
まさに総力特集というにふさわしい程のページ数で、めくってもめくっても星野源だ( *´艸`)
何と37ページもあった!!
それだけ星野源の活動が多岐にわたっているという証拠だろう。
目にすること耳にすることは増えたけれど、具体的にどのような活動をしてきたのか知らないという私のような人間にも分かるように、彼のディスコグラフィーも一目瞭然だ。
他に、2017年3月に発売されたばかりの著書、『いのちの車窓から』につてのインタビューももちろん収録されている。
彼が好きだという作家、米澤穂信氏との対談に、『逃げ恥』脚本家の野木亜紀子氏による、寄稿:『星野源の「津崎平匡」という仕事』もある。
私が個人的に好きだったのは、青木U平氏による、『いのちの車窓から』製作過程を描いた漫画と、代官山蔦谷書店を巡り、予算1万円で自由に本を購入するというもの。
特に後者は、本に関する企画の中でも私の大好物の中の一つだ。
以前このブログでも紹介したが、図書カードの公式サイト中にも、作家さんに予算1万円で自由に本を選んで購入してもらうという企画がある。
本を選ぶという行為は、その人の人となりが結構浮き出るものなので、とても面白いのだ。
最後に、『いのちの車窓から』インタビューより、印象に残った言葉を紹介したい。
「今もたまに、書いてる途中で気持ち悪いなあって思うこともあるんですが、それはたぶん素直に書けていないからで。文章を通して自分のことをこう思ってもらおう、というよこしまな気持ちがあるってことなので、そういう時は頭から書き直します」
この人は常に自分の内面と対話し続けているのだと感じた。
そしてそこから感じたことに対して正直でありたいと考えている。
星野源の丁寧な仕事ぶりと誠実さが凝縮されているように感じた。
始まりの季節にふさわしい、さわやかさを感じる星野源特集だった。