『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』より~私たちは芸人に何を求めているのか
「お笑い論なんて、ナンセンス!面白いからみんなが見る。それでいいんじゃないのー。」
と思いつつ、こういった本はつい気になってしまうし、たまに買って読んでしまいます。
でもそれは、誰かの「お笑い論」が聞きたいわけではなく、面白いと思う芸人さんの日常生活や売れっ子になるまでの活動など、テレビでは明かすことのない裏話的なものを聞きたいからです。
多分私は、無意識に芸人さん達の「意外性」を知りたいと思っているのだと思います。
この本に取り上げられた芸人さんは8人(コンビの場合は2人で1人としました)です。
先ほど私はテレビでは明かされない話を聞きたいと書きましたが、この本はテレビやラジオ、本などで明らかにされたエピソードを載せています。
つまり、「芸人まとめサイト」といった趣の本なのです。
あまりテレビ好きではありませんが、見る番組はバラエティー率が高い私が知っているエピソードも幾つか載っていました。
それでも、エピソードの数が私の知っていたものより圧倒的に多いので、飽きることなくまたテンポよく読み進めることができました。
結局私は芸人さん達の意外性を見たいといいながら、わかりやすいサクセスストーリーを見たいのだと思います。
身近な人のサクセスストーリーを聞くのは、やはり心中穏やかではありません。
けれど、頑張れば夢は叶うということを体現してくれる存在は必要なのかなと思います。
その対象は人により様々だと思います。(スポーツ選手が一般的かなと思います(・´з`・))
タイトルに名前が入っている有吉弘行は、わが県出身ということでやっぱり気に成ります。
毒舌で再ブレイクを果たしたとはいえ、テレビ番組のMCを見ていると出演者たちに対する細やかな気遣いも感じるところは好感度が高いです。
それに、自分も他人も一歩引いたところから見ているような独特な雰囲気、他の共演者たちと混ざっているような、いないような絶妙な距離感が魅力なのかなと感じます。
オードリーの章については、最近若林君の著書を読んでいて予備知識もあったので、更に期待して読み進めました。
ネガティブな若林君は超がつくほどポジティブな春日のことを、「生きる才能」がある、「生きるセンス」があると褒めています。(多少の憧れや嫉妬もあるかもしれません。)
でもそれがわかったからと言って、自分が春日のようなポジティブ人間になることはできません。
そして悩んだ末に気づいたこと、それは
「ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。」
と言っています。
自分を変えるのは難しいし、無理があるから続かない。
私もネガティブモンスターに支配されることが多々あるのだけど、この「没頭」は「使える!」と思いました(・´з`・)
そして、自分と他人の性格を、そのままそういうものとして受け入れられる若林君は、あまり目立たないけれどやっぱり素晴らしい!
他にも数人(数組)のお笑い芸人が載っているのですが、総じて言えるのは、人気のある芸人さんというのは、その芸自体が面白いことも勿論ですが、キャラクター(人柄)が魅力的だということです。
人に魅力があるから、その人の話なら聞いてみようと思えるのは、芸能人でも一般人でも一緒です。
「結局、相手が見た自分こそが『本当の自分』なんだから、そこに本音なんかいらない。」
とは、有吉の言葉だそうです。
「自分探し」という言葉がもてはやされ、「自分らしく生きなくては」という思いに押しつぶされそうになってしまいそうだった私ですが、「本当の自分はこんなはずではない。」と、自分で描いた幻想に捉われることなく、もっと力を抜いてその時その時の自分の気持ちに素直に寄り添っていけばいいのかなと感じました。
でも、私はちょっと深読みしすぎなのかもしれません…(;´Д`)
どんな本を読んでも、自分と自らを取り巻く状況に照らし合わせてしまいがちです。
(齢をとったからかもしれません…。)
こう言ってしまっては元も子もないかもしれませんが、こういうことをしたから売れっ子になったというのは所詮後付け論だと思います。
エピソードはエピソードとして、「なるほどそんなことがあったのか~。」と楽しみ、そして実際に「芸」を見て笑い、楽しめばそれでいいのかなと感じました。
芸人さんが求めているのもきっとそれなのです(=゚ω゚)ノ
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