運をつかむ技術
▶目的を持ち、失敗を恐れずチャレンジする
開業以来赤字続きのハウステンボスを黒字転換させた!と聞けば、一体どうやって?成功の秘訣は何だろう、と興味をそそられます。
テーマパークといえば、東京ディズニーランドの一人勝ちだった当時、再建に挑戦しようと思えること自体無謀に感じるし、実際周囲からは反対されたそうです。
それでも著者は再建に挑戦し、社長就任後わずか1年足らずで黒字転換という偉業を成し遂げたのです。
一体どんな厳しい経営方針と秘策でもって建て直したのだろうと思いましたが、根底に感じられたのは、綿密なリサーチや問題点の改善の為に繰り返したトライ&エラーなどの大変さの中にある、一種の気楽さと明るさでした。
数々の難問を面白いと感じられること、お客様、従業員、佐世保市、九州財界の人々を喜ばせたいという前向きな気持ちが、様々なアイディアを生んだのだと思います。
著者は格安航空券の販売などで馴染みのある、
株式会社エイチ・アイ・エスhttp://www.his.co.jp/の創業者であり会長です。さらに、この本の柱であるハウステンボスの社長であることをはじめ、多くの肩書をもたれています。
私がまず引き込まれたのはその肩書ではなく経歴です。
工業高校卒業後、自力でお金を貯めてドイツの大学へ入学。
そして、そこでのアルバイトがきっかけで起業。留学生という身分ながら、月100万~200万もの収入を得るようになります。
帰国後は毛皮輸入業を起業するも、たちまち経営は頓挫しますが、仕方なく始めた格安航空券の取り扱いが徐々に軌道に乗り、エイチ・アイ・エスの礎を築くことになります。
その後もスカイマークエアラインズを設立するなど、とにかくその行動力に驚かされました。しかも困難なことに挑戦しているのに、少しもそのように感じさせない、むしろ仕事を楽しんでいるという風に感じられました。
著者は、「若者よ。能力は充分あるのだから、もっと頑張れ!」とエールを送っています。
豊かであるが故に必要以上に失敗を恐れて何もしないのではなく、チャレンジをするべきだと言っているのです。
仕事において、また人生において
・チャレンジすること
・失敗をおそれないこと
・元気でいること
・信じ切ること
・夢や目標をシンプルにすること
など、他にも幾つかの大切なことを挙げています。
中でも最も私の心に響いたのは、
元気でいること
という言葉です。
ハウステンボスの経営の立て直しの過程で、従業員の意識改革を行っているのですが、
そこで、
たとえ本当は大変でも、嘘でもいいから無理やり明るく元気に楽しく振る舞い、あいさつを欠かさないようにしてほしい
と、伝えています。
これは、もう一つ著者が大事だといっている、運と気について、につながることでもあります。
「運命は既に決まっているもの」と思いがちですが、
変えられる運を良くすることはできるのです。
運がいい人はプラス思考の人、元気な人です。
なぜなら、良い気を出すと人がよってきて、いろいろなものやチャンスを与えてくれるからです。
だからこのような人や会社と付き合うようにすることが、自然と良い運をひき寄せることとなるのです。
最後に著者は、旅をすることで悩みがシンプルになる、また、癒してくれると言っています。
著者の原点が旅であるからだと思いますが、いつもと違う土地へいくことで、難しく考えていた問題が些細なことだと思えるようになるという感覚はわかるような気がします。
真剣にチャレンジし、どうしてもダメだと感じたらまた次の挑戦をしたらいいのです。
失敗しても構わないし、小さな成功を積み重ねて自信を持てば、その自信がまた次へとつながる活力になります。
物事をもっとシンプルにポジティブに考えて、挑戦し続けることを忘れずにいたいと思えた楽しい一冊でしたヾ(´^ω^)ノ♪
<まとめ>
真剣さと気楽さを持って、物事に取り組もう。
明るく元気でいることで、良い運をひき寄せよう!