かわいいネットショップ
▶ネットショップを開業したい人の入門書に
「自分だけのショップを持ちたい」という、漠然とした思いを抱いたことがある人は多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
今は時間的に余裕がなくて休眠状態ですが、一時期手作りに燃えていた時期がありました。
毛糸で編んだモチーフをつけたヘアゴムやシュシュをバザーに出したところ、あっという間に売り切れてしまったという経験から、手間暇はかかるけど、自分で作ったものを買ってもらえるという喜び を知りました。
当時は、頑張って作品を作り貯めて、手作り市やフリマで売りたいとも考えました。
しかし、手作りにかける労力と、それにつけられる価格の相場とのバランスを考えると、本当に好きじゃないとやれないことだと思い、日々の忙しさと相まって手作り自体から遠ざかっていました。
どんなことでも、誰かから対価をいただく以上、半端な気持ちで片手間にはやっていけないのです。
最近、私は初めてオークションに挑戦し、商品が売れることの喜びと同時に、受け取った商品と私の対応に感謝してもらうという経験をしました。
そのとき再び自分のショップを持ちたいという思いがムクムクとわいてきて、この本を手に取りました。
この本は、オールカラーで写真もふんだんに掲載されているので、眺めるだけでも楽しめる本です。
私と同様、漠然と自分のショップを持ちたいと思っている人、ネットショップに憧れを抱いている人への入門書、イメージを膨らませるための本として最適だと思います。
裏を返せば、本気でネットショップを立ち上げたい。個人事業主として登録し、本格的に事業を始めたいという人にはこの本だけでは不十分だと思います。
ただ、第3章はじめてのネットショップを成功させるための知っておきたい基礎知識を読めば、開店までに必要なこと、実際にショップをオープンしてオーダーが入ってから出荷するまでの手順などが書かれているので、大まかな流れはつかみやすいと思います。
これをたたき台として、不足している知識はネットで調べたり他の書籍で補うなどすればよいと思います。
この本で例として挙げられているネットショップの内訳は
・ハンドメイドショップ―23店
・セレクトショップ―5店
一店に割かれているページは4ページで、ショップ名の由来や開店準備期間、開店資金、ネット環境、運営経費、PR方法、一日のタイムスケジュールが簡単に書かれています。
また、ショップをオープンしたきっかけや、活動内容などのプロフィールが500字程度で紹介されています。
そして、アトリエや商品の写真が数点載っているのですが、どれもおしゃれです。
手作り好きならチラと見ただけで、「ああ!いいっっ、こんな部屋を自分も持ちたい(*゜∀゜)=3!! と叫びたくなるような写真たちが、「ネットショップいいだろう?やってみたくなっただろう?」と囁きかけてきます。
資金・経費等は非公開としているショップも多く残念ですが、ひとくくりにハンドメイドショップといっても、扱う商品も運営も人それぞれだということは、多くの写真から伝わってきました。そして、その商品に対する強い思いがあるからこそ続けていけるし、多くのショップがある中で、人気ショップとなることができたのだと感じました。
個人事業は自分の思い通りにやりたいようにできてうらやましいと思われがちですが、実際は自分との闘いとなるので、本当に強い思いがなければ、続けていくのは難しいと思います。
それでもこの本の写真を眺めていると、不思議と挑戦したい気持ちがわいてきます。
ただ、このような店がネット上に無数にあるのだと思うと、そこで「よし、私もやってやろう!」と思える人と、反対に、「これだけ多くの店がある中から自分の店を見つけてもらうことすら難しそうだし、供給過多でちっとも売れないのではないか。」と、及び腰になってしまう人に分かれるだろうと思います。
ネットを眺めていて、何となくネットショップっていいなという憧れから、実際にショップを立ち上げようと思ったときに考えられる疑問や問題点を明らかにすることができるという意味で、この本はおしゃれなデザインの本という枠組みにとどまらない、良い本だといえます。
「自分は本当にネットショップをしたいのか、したくないのか。」
それを真剣に考えるためのきっかけを与えてくれる本でした。
<まとめ>
ネットショップ運営の流れを大まかにつかめる
自分が作りたいショップのイメージを膨らませることができる
実際にショップをオープンさせるには、明確な目的と強い意志が必要