『成功する雑貨屋さん ショップ経営に欠かせないこと』を読んで、お店を経営したくなる
漠然と「自分の店を持ちたい」という夢を抱いたことのある人は多いと思います。
小売・流通関係の仕事に携わったことがある人なら一度や二度、「自分ならこうするのに。」という思いを抱いたことがあると思うからです。
私自身、実店舗とネットショップを持つ小売店で働いています。
そして具体的なプランはありませんが、店をオープンさせるだけの資金があったなら、一国一城の主となり、自分好みかつ魅力的な店づくりをしたいという妄想を抱いたことはあります。
しかし今回この本を手に取ったのは、その妄想を目標に変え、実現させたいからではありませんでした。
単純に、雑貨店という一見参入しやすそうだけれど、単価がそう高くなく、競合店も多そうなジャンルにおいて、年商1億も稼いだ経営とはどのようなものか知りたかったのです。
ネットショップは年々増加の一途を辿っていて、競合店は増える一方のように感じます。
その一方で、扱う商品は、新規顧客の大幅な増加を見込むことはなかなか厳しいと思えるジャンルです。
私自身に決定権はないけれど、成功する経営とはどのようなものか、その為に何を心がけているのかをしることで、自分の業務に対する携わり方を変えていき、会社に貢献でき、自分も成長できるのではないかと考えたのです。
さて、本の内容は想像以上に満足のいくものでした。
また店の経営者でなくても、小売業界で働いていなくても役立つ内容だと感じました。
努力しているのに商品が売れない店・売りたい商品が売れない店は多いと思います。
そのような店の経営者・従業員はきっと、
「こんなに頑張っているのにどうして。」
という気持ちになる筈です。
その理由は
努力の方向性を間違えている
からだといいます。
十分なリサーチをし、お客様が本当に望んでいることを実現するための努力をするのでなければ、意味がないのです。
考えれば分かることですが、お客様は単に頑張ればそれを認めてくれるわけではありません。自己満足ではダメだということです。
表紙写真、本文で紹介されている魅力的な店内写真の数々を見ると、自分もこんな素敵なショップを持ちたいという気にさせられます。
しかしそんな夢いっぱいの写真ですが、経営に関してはなかなか厳しいことが書かれています。
・お客様が何を望んでいるのかを考えること
・当たり前をすることがいかに難しいかということ
・商売は継続することが大事だということ
・その為に適正な利益を出し、お客様に還元するべきだということ
など、書き出すのは簡単ですが、これらを実行するのは容易ではありません。
しっかりとしたコンセプトを持った店づくりをしていく必要性も説かれています。
土台がしっかりしてないと、その上にいくら立派にみえるものを建てたところで、そのうち立ち行かなくなるという話は、言われてみれば当たり前のことだけれど、ハッとさせられました。
また、計数管理についても触れられています。
ほんの障り程度なのかもしれませんが、初めてショップ経営をする人にとって、売上日報をつけること、毎日の売上の具体的な目標数値を定めることがいかに大切かということを、数値に疎い私にもわかるように噛み砕いて説明してありました。
計数管理については別の書籍等でもっと詳しく学ぶこともできると思いますが、ここに書かれていることを間違いなく実行すること、その為に考え努力することができれば、店の経営は成り立つと思います。
この本でショップ経営の例として挙げられているのは、井川雄太氏と伊藤聡氏が共同経営する、株式会社シーアンドサインの店舗、『ディーラーシップ』、『フリーデザイン』です。
「小さなお店を繁盛店にする商売成功の10の秘訣」
は、是非この本を実際に手に取って見てください。
それは、商売成功の秘訣ですが、商品は雑貨に限らないと思います。
サービスでも、農産物などであっても、大事なコトというのは一緒なのだと、この本を読んでいるうちに確信しました。
仕事に対する目標意識が高まり、仕事への意欲がわいてくる本です。
最後に井川氏の言葉を紹介したいと思います。
すべての行動に対して、期待されている以上のコトをするように心がけている
成功する雑貨屋さん ショップ経営に欠かせないこと―27歳で始めた雑貨ビジネスを4年で年商1億円にしたネットショップ&小さな店の経営術
- 作者: マツドアケミ
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログを見る