keronote’s blog

本の紹介、英語学習の記録を中心に、PC・スマホ関連、日々の生活のお役立ちネタも交えながら色々と書いていきます。少しでも楽しんでいただけたら、また何かの役に立てれば幸いです。

『ブンブン堂のグレちゃん-大阪古本屋バイト日記-』 を読んで、古本屋の世界を知る。

 

ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

 

 

▶知られざる古書店ワールドと、そこへ集まるディープな人々

 

主人公のグレちゃんことグレゴリ青山さんは、私の好きなエッセイ漫画家さんで、もう18年来の付き合いになります。(一方的にですが)

あまり旅行をしない私ですが旅行記を読むのは好きで、グレゴリ青山さんの安価でディープなアジア旅行記は、体験の濃さと視点の面白さにはまりました。

 

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そんな青山さんの専門学校生時代のバイト体験談を綴ったのが、この『ブンブン堂のグレちゃん-大阪古本屋バイト日記-』です。

郊外の大型チェーン古書店にはないディープな世界が、ここでも繰り広げられていました。

 

知られざる古書店のバイト内容は、想像以上に地味ですが、そこに訪れるお客さんや他店の古書店主は個性的な方が多いようです。(多少フィクションも入っているようですが)

お客さんがディープなのか、青山さんの捉え方が面白いのかわかりませんが、こんな風に店主の顔が見え、店の顔が見える品揃えの古書店で、特別な一冊に出会うという体験をしたいと思わせてくれます。

 

さて、この本が発売されたのは2009年です。

巻末に「知られざる古書入札市会」といったタイトルで、潜入レポートがあるのですが、こんなアナログなこと、今でもやっているのかなと思い検索すると、ありました。

全国各地で行われているかは定かではありませんが、東京古書組合・南部支部事業部では行われているようです。

 

「市」、「市が立つ」という言葉は何となくお祭り気分がしてわくわくします。

スーパーなどでもお馴染みなのは「朝市」ですが、最近では「マルシェ」というおしゃれな名前で、観光地や道の駅などで定期的・不定期的に実施されている「市」もありますよね。

モノ自体はその気になればどこの商品でもどこからでも買えるようになった昨今、商品+@を求めるお客さんは増えているのかもしれません。

 

古書入札市会も、単に商品を仕入れる場としてだけではなく、直接取引をすることによって生まれる人脈や、駆け引きの様子がコミックから窺え、とても面白く感じたので、このような場は残っていってほしいと思います。

  

また、作中で店長さんが原稿を書くのに苦心していた『日本古書通信』ですが、こちらも現在も発行されています。月刊誌で一部720円でした。

 

さらに、書店手作りの古書目録もまだ発行されているお店があるようです。

こちらも店によって趣向がこらされているようなので、どのようなものか是非本物を見てみたいものです。作る側も楽しそうなので、やってみたいです(´艸`*)

詳しくはこちらのサイトをどうぞ。本来は有料だそうですが、無料でお取り寄せできる目録もあるようです。

 

古書店さんの目録ナビ【モクナビ】

 

私は特に古書好きではなく、どちらかといえば、新刊や話題の本を読みたいと思う性質なのですが、多くの本を読むことで、いずれ古書についても語れるようになりたいという野望をこっそり抱いています。

 

グレゴリ青山さんは妄想癖があると思うのですが、私にも妄想癖があるので彼女の本をとても面白いと感じるのかもしれません。

 

私の住む町には、残念ながら古書店街はありませんが、秋に開催される地元の古本屋まつりに、今年こそは足を伸ばしてみようかなと思うのでした。

下記のサイトで、全国各地の古本屋検索、古本屋まつりの情報検索ができるので、参考にしてみて下さい。

 

www.kosho.or.jp

 

余談ですが、函入りの本によくかけられている薄い半透明の紙が、硫酸紙(作中ではリューサン紙)というものだということを、この本で初めて知りました(`・ω・´)ゞ

 

<まとめ>

本の世界はディープです(*´з`)