『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』と、私が出口治明さんの著書を読む理由
本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/09/11
- メディア: 新書
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もう3冊目の紹介になります。
ライフネット生命CEOの出口さんの著書です。
出口さんは「読書家として知られている」そうですが、私はそのようなことを知りませんでした。
たまたまビジネス雑誌の紹介本のコーナーで『人生を面白くする 本物の教養』を見かけて読んだところ、想像以上に面白く、また出口さんがこれまで多くの本を読まれてきたことを知ったにすぎません。
同一人物がこれまでに読んできた本を紹介している以上、主として薦める本は変わりありません。
3冊目ともなると、「ああ、これは例のあのエピソードね!」とわかるようになりました。
しかし、それぞれ僅かですが肉付けされている部分が違うので、その点は同じ本の紹介であっても楽しめると思います。
今回紹介する『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』は、全部で169冊の本を紹介されています。
しかし、紹介数が増えた分、一冊に対する紹介文が殆どないものが多かった点は残念でした。
やはりどういった点がおすすめなのかという説明が1文でもされていると、その分その本に対する興味もそそられるというものです。
前回の『ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊』に紹介されていない本もあったので、それらについてもっと詳しい説明を読みたかったと思います。
この本で私の一番印象に残っているのは、「ビジネス書との向き合い方」です。
ベンチャービジネスを立ち上げた人物とビジネス書は切っても切り離せない関係のような気がしますが、
ビジネス書は後出しジャンケンだ
とバッサリ言ってのけています。
どういうことかというと、成功者が成功体験を語るとき、その理由はいくらでも後付けできるということです。
「私はこれをやって成功した」というのは、成功者が語れば勿論それは疑うべくもない事実だけれども、それが万人に当てはまるとはいえないということです。
すべてのビジネスは、人間と人間がつくる社会を相手にしているのですから、「人間とはどういう動物なのか」を理解することを優先したほうがいいと思うのです。
その為には、ビジネス書を読むより、優れた小説や歴史書を読む方がよっぽど有益だ という考えに目から鱗でした。
著者はビジネス雑誌からの取材依頼、原稿依頼もあるのにこんなことを言ってもいいのかなといらぬ心配までしてしまいましたが、その持論を得るまでにやはり多くの本を読み、ビジネスの実体験をしたからこその言葉だと思えば、重みと説得力があります。
私が最近心がけていた「まず目次に目を通す(速読の考え方です)」というのも否定されていて軽いショックを受けましたが、その理由を「著者と真剣に対話をするため」だと説明されていたことで得心しました。
ひょっとすると、「本に書いてあることが全て正しいと思ってはいけない」と出口さんにお叱りを受けるかもしれませんが(´艸`*)
それにしても何故3冊も立て続けに出口さんの本を読んでしまったのか。
その理由は自分のもう取り戻せない時間に対する後悔、若いときに多くの本を読めた、読むことの大切さを知っていたことに対する憧憬の念などいろいろとあります。
失った時間は戻らないけれど、これから始めればいいじゃないかという出口さんの言葉と、価値観の押し付けは大嫌いだという考えがにじみ出た本の紹介が、私を惹き付けるのだと思います。
体力的に衰えを感じ始める年齢になってきましたが、そんなことをうじうじと考えているのは馬鹿らしいな、今できること今学べることをしなきゃなと思える、パワーをもらえるのが出口さんの本の神髄です。
「今日からがスタート!!」
この言葉を胸に生きていくのだ~p(`・ω・´)q
うん。やっぱり本って最高です!!!